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【仕事解説①】現役食品製造業が語る仕事の内容、年収、やりがい、生活は?

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食品製造業に就いてみたいけど、どんなことをやっているか分からない、就いてみたくはないけど、どんなことをしているか気になっている方が多いと思います。

そういうことを現役で食品製造業に就いている私がこの記事で解説していこうと思いますので、参考になれば幸いです。

~目次~
①仕事の内容としてどんな部署があるの?
②生活はどうなるの?
③仕事のやりがいは?
④年収は?

ということで順に紹介していきます。

①仕事の内容としてどんな部署があるの?

大まかに部署を分けると、製品を作る直接部門、それ以外の間接部門があります。

直接部門は「製造部」でそれ以外の部署は全て間接部門というイメージで大丈夫です。

間接部門としては、「営業部」「開発部」「品質保証部」「物流部」などがあり、会社によっても呼び名が少し違ったりします。(会社の規模が大きければ、より細分化しますし、規模が小さければ行う仕事が多種多様になるので大まかにしか分けないなど)

「製造部について」

それではまず初めに、製品を作る「製造部」について説明します。

製造部は材料を調合して、製品に成形してそれを容器に入れたり、段ボールに入れて輸送出来る状態まで持っていきます、これが大まかな製造部の仕事になります。

なお食品製造業は利益が薄かったり、洗浄作業が多かったりするので、製造部に関わる人が一番多く、時差出勤も多いです。ただ、時差出勤があるため人手が足りていれば残業はあまりないとも言えます。

しかし生産数量が多ければそれに対応するために休日出勤などもありますし、機械の調整や物を動かすなどブルーカラー寄りの仕事ですので、事務作業が好きな方には不向きと考えられます。

実際に働いている方も男性の方が多く、食品製造業で働きたい女性の方は製造部ではなく開発などの華やかな部署を好んでいると思います。

詳しくは製造部用の記事を書いていきますので、良ければそちらでご覧ください。

「営業部について」

次は営業部について説明します。

これはイメージしやすいと思いますが、お客様に向けて新商品を提案したり、逆にお客様から要望を受けて「開発部」に連絡をしてサンプルを作成してもらうなどが仕事になります。

なお、ここのお客様は業務用、市販用を問わず基本的に相手先企業の担当者が相手になります。

値段交渉も基本は営業が行うことになりますし、製品に虫や毛髪などの異物が入っていれば最初の窓口は営業になります、また、ノルマもあるので自分の力を活かしたい、という人は営業に向いているかと思います。

また、営業は残業代が出ずに営業手当として固定で出ることが多いですが、宿泊費やそれに伴う外出手当は別で出るので額面で直接貰うよりも給料は増えます。

また、出張費として生産した場合は、給与明細としてではなくお金が出るので、税金が引かれずにそのまま手持ちに入ります。(会社のやり方にもよるかと思いますが…)

詳しくは営業部用の記事を書いていきますので、良ければそちらでご覧ください。

「開発部について」

次は「開発部」について解説します。

ここは文字通り、製品の開発を行います。製品の開発は2種類あり、新商品の開発と既存製品のリニューアルです。よくテレビでも商品開発の現場が映し出されていますが、基本はのあのような商品開発を行っています。

ただ、実際の商品開発は、使う原料の価格(原価)を考えたり、一個売ったらどれくらい利益が出るのか、どのような添加物を入れて理想の触感などを生み出すかという、ところで非常に頭を使う部署になります。

向き不向きで言えば、研究好きの方(男性に多いでしょうか)の方が向いているかもしれません。

ただ、食品に対する味覚の鋭さから、基本は女性が開発になっているイメージがあります。

なお、「開発部」が多く良く関わることになるのは、「営業部」>「品質保証部」>「製造部」になるかと思います。

「営業部」が多いのはお客様とのサンプルの受け渡しやそれに対する評価があるからですね。

「品質保証部」との関りは原材料に対する評価や、容器包装の食品表示(これを業界や省庁では「一括表示」と呼びます、世間ではあまり使われませんが)のやり取りが多いからです。

「製造部」との関りは、新商品を作るときなどになりますね。基本はそこまで関りは無いです。

詳しくは開発部用の記事を書いていきますので、良ければそちらでご覧ください。

「品質保証部について」

次は「品質保証部」について解説します。

良く疑問に思うのが、品質保証部と品質管理部の違いです。

名前が似ている両部門の違いとしては、「品質保証部」=良い製品か確かめる検査部門、「品質管理部」=良い製品を作る製造工程部門、という認識でOKです。

会社の規模によっては両部門は一体化しているところもありますが、今回は検査を行う「品質保証部」を解説します。

一般的にイメージしづらい「品質保証部」ですので、行っていることをいくつかに分けたいと思います。

①検査業務:作られた製品が規格を満たしているかどうか、検査する
②書類業務:食品の一括表示の作成、使っている原材料が安全なものか確かめるための保証書業務
③クレーム対応業務:製品に虫が入っているなどでクレームが来た際に、窓口の営業から詳細を聞き、クレーム報告書を作成したり、再発防止対策を練る

以上3つになります。

関わる部署として多いのが「製造部」>「開発部」>「営業部」>「物流部」となり、基本的に全ての部署と関わります。

※「物流部」については製品が規格を満たしていないことが発覚した場合などに出荷止めにする必要があるからです。

詳しくは品質保証部用の記事を書いていきますので、良ければそちらでご覧ください。

「物流部について」

次は「物流部」について解説します。

製造業の話をする際に一番影が薄いのが物流だと思います。

しかし、物流が機能していないと作った製品が工場に溜まりっぱなしになってしまうので、ここが製品を移動させないと話になりません。

なお、「物流部」が行うことは 作った製品を保管すること 、それを注文に応じて商品を売ること、そして出荷すること、それらの数を管理すること、になります。

保管や出荷と言っても、リフトを動かすのはほんの少数の作業者で、多くはPC上やFAXを使った他社とのやり取りになります。

他社とのやり取りが多いので、電話も多いです。また、相手先の会社によってシステムが違っていたりするのでマルチに仕事をこなすスキルが必要になります。

詳しくは品質保証部用の記事を書いていきますので、良ければそちらでご覧ください。

②生活はどうなるの?

食品製造業に就こうと考えている人は、これを考えていると思います。

残業はどうなのか、シフト制になるのか、最近だとテレワークはあるのか、などの疑問を解決していきます。

「残業について」

気になる方が多いと思います、当たり障りのないことを言うと、会社の規模と、部署と繁忙期かで決定しますし、就活サイトに書いてあります。

それを前提で説明していきます。

まずは就活サイトに書いてある平均残業時間を見てください。(食品であれば平均30~40時間ぐらいでしょうか、最近は働き方改革の影響で減っている可能性も高いです。

ただし十中八九それよりも多くなります。何故なら、定時で帰れる人と帰れない人がいるからです。

じゃあ定時で帰れる人は誰なのか?、それは子育て中の主婦層です。

この人数が多ければ多いほど、平均残業時間を引き下げます。男女の人数比や育休の取得率からどれくらい残業時間を引き下げているのか分かるのでそれを差し引いた後の残業時間が平均残業時間になります。

また、営業も残業が無い(記録されていない)のでここも計算を引き下げている可能性があります。

じゃあ個人の残業時間はどうなるのか、それは今度部署に依ります。

「製造部」:シフト制がきちんとしていれば残業は少ないですが、人手不足の会社の場合はがっつり残業が増えます。私が勤めている会社では80時間、100時間超えの猛者が数多くいました。ただ、今は働き方改革の影響で残業時間は減っています。なお繁忙期と閑散期の差が大きければその分残業時間にも幅が出ます。

「営業部」:出張が多いので残業がどうのこうのは若干難しいです。ただ、残業したく無いけど営業やりたいって人はいないと思います。

「開発部」:これは繁忙期かそうでないかでかなり左右されます。例えば、夏向けのアイスを作る会社であれば、商品開発を進め設計を固めるやり取りが増えるている冬~春が忙しいし、という感じです。その会社の売りが何なのかを考えると繁忙期が分かるので忙しい時期が分かります。そして部署によってそれが前後するかになります。

「品質保証部」:ここは「製造部」や「開発部」の影響を受けて忙しさが変わります。製造する製品が多ければ検査する製品数が増えるし、開発の立ち上げ商品数が増えればそれに合わせて一括表示の作成、保証書の承認などの仕事も増えます。また、製品のクレームが増えればクレーム対応が増えるので残業も増えます。そしてクレームが増える時期は商品が沢山出る時期になります。ただ「製造部」や「開発部」に比べれば波は少ないです。

「物流部」:ここは会社の商品数が多ければ多いほどやる事が増えるし、ラストユーザーまで関わることが多いのであれば、それで仕事が増えるという感じで会社に依るとしか言えません。私の会社では年中忙しそうです。ただ、食品系の会社はどこも商品数を増やす方向(中小企業に多い)に動くので中小企業ほど忙しいと思います。逆に大手は品数が人数に対して少ないためそこまで忙しくないと思います。

「シフトについて」

ここでは、時差出勤があるのか、夜勤はあるのかについて触れていきます。

「製造部」:時差出勤も夜勤もあります。ただ、夜勤がない会社もあります。(生産が0時で終わる会社など)

「営業部」:基本は日勤のみです。あとは相手先に合わせるという感じでしょうか。

「開発部」:基本は時差出勤も夜勤も無いです、ただ、新商品を夜に作るのであればそれに合わせて時差出勤や夜勤もあります、しかし基本は無いです。

「品質保証部」:時差出勤も夜勤もあります。基本は製造に合わせて出勤があります。ただ会社によって方針はまちまちです。基本はあると思ってください。

「物流部」:時差出勤も夜勤も無いです。夜に仕事を行う必要がない部署なので。

「テレワークについて」

最近話題のテレワークについて触れていきます。ただ、テレワークは完全に会社の方針次第ですので個人でテレワークしたいと思っても難しいと思います。

ちなみに、テレワーク中のエアコン代とか電話代ってどうするんでしょうね。

「製造部」:無いです。製品は会議室じゃなく現場で作っています

「営業部」;一番精力的に行っている部署だと思います。

「開発部」:部分的には可能だと考えていますが、サンプルの試作を行う必要があるのでやれても週1回とかかなと思います。

「品質保証部」:部分的には可能ですし、行っている会社も多いです。ただ、検査を行う必要がある以上、週1回など制限は出てきます。

「物流部」:可能です。ただ、電話やFAXも多いのでそれに対応できるかになってきます。現場のリフトマンは無理です。

③仕事のやりがいは?

これは完全に部署に依りますので見てる感じの雰囲気で解説していきます。

「製造部」:無さそう。

「営業部」:有りそう。

「開発部」:有りそう。

「品質保証部」:無さそう。

「物流部」:無さそう。

こんな感じです。やりがいをどう感じるかは人それぞれですが、明確な目標とそれが達成できたかを確かめる方法がないと、やりがいは感じづらいと思います。

④年収は?

食品製造業の年収ですが、「何を作っているか」これで年収が全然違います。

四季報を見ると何となく分かりますが、「インラインで完結できる液体系は給料が高く」、「総菜や弁当のような人手を使う固体系が増えるに従って給料は低く」なります。

バイトの募集の求人を見ると分かりますが、液体系はほぼバイトの募集が無いです=人手が少ないため給料が高い。

あとどれだけ下請け会社を持っているかでも年収は変わります。下請け会社が多ければ多いほど、金の生る木が増えるということですから。

以上、長くなってしまいましたが、解説を終わります。ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

次の記事でお会いしましょう、それでは。


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