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定量分析の中でも重量分析が一番難しい説【会社・化学・実験・検査・測定】

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1.はじめに

どうも、黒咲真雫(@baki_1771104)です。

今回は仕事関連について記事を書いていこうと思います。

そして、今回は数ある定量分析の中で個人的に難しいと感じている重量分析(重量測定)について挙げてみました

単に重量分析と言っても出荷時の測定(これは取引金額に関わってくる)、単なる分析室での検査など色々あって、何をするかで難しい点が違うと思っていますが、今回はmg~μgの測定について考えていこうと思います

2.g単位とmg単位とμg単位の大きな壁

まず、g単位の測定とmg単位の測定間に存在する壁についてです

これは分析をしていると感じると思いますが、g単位の測定では値がブレる、というのは基本的に感じないはずです

何故なら測定物の重量が支配的な測定でそれに比べれば環境は無視できます

これがmg単位になってくると、そうはいきません。

そもそもmg単位の測定をする際、一番感じるのは秤量自体が難しいことだと思います。

g単位で合わせるのは簡単でもmg単位で合わせるのはかなり難しいです。

基本的に1mg単位で数値を合わせるのは無理と感じています。

1000μL=1mLでこのマイクロピペットは質量的には1gとほぼ同じです

ただ、10μLのピペットを使う時に相当液滴が小さいことに気づくと思いますが、これでまだ10mgです

なので1mgなんて相当小さい単位であることが分かります。

作業の上で1mg単位で合わせるというのは相当現実離れしていると考えた方がいいです(効率的にも)

そしてμg単位の話ですが、そもそもここまでの精度を量れる天秤がほとんどないです

メーカーで言うと、ザルトリウスかメトラートレドぐらいしかないと思います。

また、μg単位で量れると言っても、天秤の感度が良いだけであって、真の値に近いものを導くためには環境などを整える必要があります

環境については次の章で

3.環境の影響が大きすぎる

今度は環境についてのお話になりますが、大体mg単位の測定から気になりだします

風の流れ(エアコンや換気扇など)、静電気、湿度(吸湿具合)、振動、温度、ここら辺が気になりだします。

1mgであれば、風防があればほぼ防げますし、静電気についてはなかなか人が感じることは難しいですがイオナイザーを付けることでどうにかなります

湿度については風袋や測定物の素材によりますが1mg以下から測定時に値が振れることに気づくと思います

振動は難しくて、がっつり揺らせば(人が分かるレベル)g単位でも動くと思いますが、mg単位だと人が感じるレベル以下で影響している気がします

温度ですが、温かいと冷める際に吸湿するのでどんどん重さが増えますし、温度によって対流が起きて重量が変化します

そして、温度で悩まされるのが乾燥や強熱をする場合で、特に風袋に左右されること増えてきます

なので、次の章では風袋の恒量について考えていきます

4.風袋の恒量に悩まされる

風袋の恒量についてですが、恒量というのは

JISK0067:化学製品の減量及び残分試験方法 で

2.2.4 恒量 恒量は,次のとおりとする。
(1) 減量試験の場合 試料を加熱又は乾燥し,放冷後,質量を測定したとき,1回目と2回目の質量の差が,1回目の質量に対して0.10%以下になったとき,恒量とする。ただし,試料の質量が0.3g以下の場合は,1回目と2回目の質量の差が0.3mg以下になったとき,恒量とする。

(2) 残分試験の場合 試料を蒸発又は強熱し,放冷後,質量を測定する操作を2回繰返したとき,その質量の差が0.3mg以下になったとき,恒量とする。

https://www.kikakurui.com/k0/K0067-1992-01.html

というように定義されています

ここでポイントになるのが1回目と2回目の質量差が0.3mg以下 という点です。

実はこれめっちゃ難しいです。

0.3mg以下の質量差というのは乾燥の終了時間を忘れていて1時間多めに乾燥してしまった、デシケーターの放冷が長引いた、もしくは短くなってしまった、というので簡単に差が出てしまうレベルです(勿論風袋の素材、どれくらいの重さのものを量ろうとしてるのかで違いますが)

0.3mg以下の質量差を量る場合は天秤の精度を考えて、0.01mg単位ではかる必要がありますが、測定中に0.01~0.1mg単位の値が振れる場合は多分0.3mgという質量差を導くのは相当難しいです

というか値が振れる場合は、放冷時間が短いなどで安定していないと考えられます

これはデータを積み上げていくしかないですが、乾燥や放冷を行う場合、待ち時間が長かったり、設定時間以上の放置が出来ないのでデータの数を稼ぎづらいのが難点です

(まあやるしかないのですが)

5.そもそもその精度で重量分析を行ってよいのか

最後の章ですがそもそもどこまでの値であれば質量分析を行ってよいのか、です。

直接の質量分析で無くても、機械にかける前処理として秤量とかはします。

ただ、秤量値のブレで分析結果が大きく変わってしまう可能性は十分にあるので、あまり小さい値を測定するのは好ましくないです。

サンプルの分布のバラツキも大きく影響してくると思います。

基本的には有効数字を鑑みては結果よりも1桁~2桁多くとっていれば問題無いと思っています

個人的な感覚では恒量とされる0.3mg以下という基準よりも小さい値での質量分析はやるべきでないと考えています。

小さい値と言っても有効数字で見れば0.1mg単位での定量はしたくないです。

最低でも1mg単位での質量分析をするべきで、これ以下だと環境や恒量性といったものが支配的になってしまうからです。

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以上、それでは。

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